遺言書の検認手続きはどういう手続き?~遺言書の検認に関するあれこれ~
親がお亡くなりになった際に、遺品を整理していたら遺言書が見付かったといった場面に遭遇する方もいらっしゃるかと思います。
その遺言書に基づき不動産相続登記を申請したり、預貯金の相続手続きを行うときは、その前に裁判所に遺言書の検認申立を行う必要があります。
※公正証書による遺言や、法務局保管制度を利用した自筆証書遺言に関する遺言書情報証明書については検認の必要はありません。
※遺言書の検認手続きは、遺言書が有効か無効かを裁判所が判断する手続きではありません。相続人に対して遺言の存在・内容を知らせるとともに遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防ぐことを目的とした手続きです。
一例として、父親が亡くなった際に、相続人が母親と子供1名である場合に、父親が自筆証書遺言を遺していた場面を想定してご説明します。
申立に必要な書類など
上記例の場合に遺言書の検認申立を行う際の標準的な申立必要書類などは下記となります。
・収入印紙800円分
・郵便切手(申立先の家庭裁判所毎に異なります)
・申立書(申立書の書式はこちらのサイトにあります)
・遺言者である父親の出生~死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
・相続人である母親と子供の戸籍謄本
申立先
遺言者である父親の最後の住所地を管轄とする家庭裁判所
申立人
・遺言書の保管者
・遺言書を発見した相続人
手続きの流れ
必要書類を準備できたら管轄の家庭裁判所へ申立を行います。
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裁判所にて書類を精査した後に不足書類があれば追加で提出を求められ、特に不備が無ければ相続人全員に裁判所から検認期日の通知書が発送されます。
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検認期日には申立人は遺言書・印鑑・検認済証明書用の収入印紙150円分・その他裁判所から指示があった書類などを持参の上、裁判所へ行くことになります。他の相続人に関しては出席は必須のものではありませんので申立人以外の相続人全員が出席せずとも検認手続きは行われます。
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申立人から提出された遺言書を出席した相続人などの立ち会いのもとで裁判官が検認します。遺言書が封筒に入っていて封がされている場合は裁判官が開封します(遺言書は裁判官が検認する際に開封しますので検認期日まで開封しないで下さい。勝手に開封した場合、法律違反により過料に科される可能性もございます。)。
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裁判官による検認手続きが終わりましたら、遺言書に検認済証明書をつけて証明してもらうことで、各種相続手続きへ利用することが出来ます。
遺言書の検認申立書作成には、専門的な知識を要する場合もございますので、専門家にご相談なさることをおすすめします。