遺言を書いてはみたけどやっぱり撤回したい、、、~遺言の撤回のあれこれ~
遺言を書いた後に、ご自身を取り巻く状況の変化によって、やっぱり撤回したいと考えることもあると思います。
ここでは遺言の撤回についてご説明させていただきます。
遺言の撤回はいつでも出来る
遺言者は、生存中にいつでも遺言の全部または一部を撤回することができると民法で定められていますので、いつでも自由に自らの意思で遺言を撤回できます。
さらに、民法で遺言の撤回権を放棄することはできないと定められていますので、「この遺言を撤回する権利を放棄します」と遺言書に記載したとしても無効です。
遺言の撤回の仕方
民法にて、遺言の撤回は遺言の方式に従って行わなければならないと定められていますので、遺言書で撤回の意思表示を行うことになります。
撤回に関する遺言の方式は自由なので、公正証書遺言の方式で遺言をのこしていた方が、自筆証書遺言の方式で遺言を撤回しても問題ありません。
遺言が撤回されたとみなされる場合
遺言者が「遺言を撤回します」と遺言で意思表示をしていなくても、遺言者の行為によって撤回したとみなされるときがあります。
前の遺言と後の遺言との抵触
遺言者が遺言で「Aに狛江市○○の土地を遺贈する」と遺言書に記載し、後日、「Bに狛江市○○の土地を遺贈する」と同じ財産に関して抵触する遺言をした場合、民法にて前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなすと定められていますので、Aへの遺言は撤回したものとみなされます。
遺言後の生前処分その他の法律行為との抵触
遺言者が遺言で「Aに狛江市○○の土地を遺贈する」と遺言書に記載し、後日、Bに狛江市○○の土地を贈与した後に死亡した場合も上記と同様に、遺言が遺言後の贈与と抵触するため、その抵触する部分については、遺言者が後日贈与をした行為が遺言を撤回したとみなされるため、Aへの遺言は撤回したものとみなされます。
遺言書または遺贈の目的物の破棄
遺言者が遺言をのこした後に、その遺言書を故意に破棄したり、遺贈の目的となっている遺産を故意に破棄した場合も、遺言を撤回したものとみなすと民法で定められています。
遺言の撤回について簡単にご説明させていただきました。
遺言を撤回する場合は注意を要しますので専門家にご相談なさることをおすすめいたします。
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