捨てないでください!それ使えるかもしれません~古い戸籍と遺産分割協議書~
古い戸籍が使える場合もある
弊所では初回のご面談の際に、今後の手続きが円滑に進むよう可能な範囲でお手持ちの資料をお客様にお持ちいただくことがあります。
相続登記を行う際には戸籍が必要になりますので、相続のご面談の場合はすでに取得された戸籍があればお持ちいただきます。
(※ご面談後、ご依頼いただく場合は弊所にて代わりに戸籍を取得することも可能です。ご面談までに戸籍を取得されていないお客様は、戸籍をお持ちいただく必要はございません)
その際にお客様から「戸籍って有効期限がないんですか?」とご質問いただくことがあります。
結論としては登記に使用できる被相続人の戸籍には期限がありません。
通常、戸籍に記載される内容は変更がないためです。
ただし相続人の戸籍は被相続人が亡くなった時に生存していることを証明する必要がありますので、被相続人の死亡日以降の戸籍が必要になります。
また、ご両親が順に亡くなった場合等、別の被相続人の戸籍を一部再利用することも可能なことがあります。
例えば先に亡くなったのが父で、後に亡くなった母の相続登記を行いたい場合です。
父が亡くなった際に取得した戸籍のうち婚姻後の戸籍等父、母で共通する戸籍については再度使用することができます。
ただし、父の戸籍謄本(父が亡くなったことが記載されている戸籍)には母が亡くなったことは記載されていません(父死亡時点では母は健在のため)。
そのため、戸籍の記載内容に変更がある戸籍(例の場合では母死亡の記載がされた戸籍)については取り直す必要があります。
被相続人の戸籍内容によって古い戸籍でも再利用することができるのかは異なりますので、専門家の判断に任せることをおすすめします。
放置していた遺産分割協議書も有効
戸籍と同様に、登記に使用できる遺産分割協議書に有効期限はありません。
数年前に遺産分割協議書のみ作成し、登記はせずに放置していた場合、当時作成した遺産分割協議書を活用して登記を行うことが可能です。
ただし、遺産分割協議書には相続人が実印を押印し、なおかつ印鑑証明書の原本が残っていることが前提です。
また、印鑑証明書についても相続登記の場合は有効期限はありません。
このように、遺産分割協議書、印鑑証明書については有効期限がありませんので当時のものが残っていれば登記に使用することが可能ですが、なるべくお早めに登記まで済ませてしまうとよいでしょう。
登記前に印鑑証明書を紛失してしまったりそもそも無効な遺産分割協議書であった場合等、時間が経ってしまうとまとまっていた話がこじれてしまうリスクがあるからです。
古いものが使用できるかは慎重な判断が必要
相続登記に使用する戸籍や遺産分割協議書には有効期限がありませんが、それが使用できるのかは中身を確認し、現在の相続人の状況等を考慮した上で判断する必要がでてきます。
ご相談いただく際に資料をお持ちいただければ専門家が判断した上で、最適な方法で登記を進めることが可能です。
相続登記についてはこちらもご覧ください→不安に思われている方必見!こんな流れで行います~司法書士に相続登記を依頼してみた編~
戸籍についてはこちらもご覧ください→戸籍の基本をおさらいしよう。除籍、改製原戸籍って何?~相続登記必要書類その①~