申請書ってどんなこと書くの?自分で登記をしてみたい方へ~登記の基本その③~
登記申請書ってどんな書面?
登記申請を行いたい場合、登記申請書を法務局に提出することになります。
登記申請書に記載しなければいけないことはどんな登記を行いたいかによって異なりますが、本コラムでは贈与登記を例に、申請書とはどんな内容の書面なのかお話します。
具体例
・父の登記A介さんは、息子である登記B太さんに自己名義の土地を贈与したいと考えています
登記A介さんと登記B太さんの贈与登記申請書(例)
※あくまで申請書の一例として記載しております。お客様のご相談内容によって申請内容は異なりますので、ご注意ください。
それでは、申請書(例)を見ながら1つずつ内容を確認していきましょう。
①登記の目的
今回の例では所有権の贈与を行いたいので、「所有権移転」と記載します。
②原因
今回の登記は贈与を原因とする所有権移転登記を行いたいので、「年月日贈与」と記載します。
日付は贈与日(贈与契約が成立した日)で、登記原因証明情報として添付した書面の記載内容と一致している必要があります。
③権利者、義務者
権利者、義務者とは、簡単にいうと今回の登記申請で得をする人が権利者、損をする人が義務者です。
今回の例に当てはめると、今回の登記で土地の名義を得るB太さんは得をする方なので権利者、名義を失うA介さんは損をする方なので義務者になります。
それぞれ住所と氏名を記載します。
現名義人のA介さんについては、登記簿上の住所と現在の住民票上の住所が異なる場合は別途登記名義人住所変更登記が必要なことに注意してください。
氏名が変更している場合も同様です。
④添付書類
・登記識別情報又は登記済証(A介さんが土地の所有権(名義)を取得した際に発行されたもの)
・登記原因証明情報(贈与契約書等)
・印鑑証明書(A介さんのもの、発行後3ヵ月以内)
・住所証明情報(B太さんの住民票又は戸籍の附票等)
・代理権限証明情報(代理人の委任状等)
⑤申請日、法務局
申請する日付と申請を行う法務局を記載します。
⑥代理人
代理人に申請をお願いする場合は代理人について記載します。
⑦課税価格
課税価格は贈与する土地の評価額を固定資産税評価証明書等で確認し記載します。
1000円未満については切り捨てます。
また、1000円に満たない場合は1000円が課税価格になります。
⑧登録免許税
登録免許税は贈与の場合、登録免許税率が1000分の20ですので、課税価格に1000分の20を掛けると算出できます。
算出した金額の内100円未満については切り捨てます。
また、1000円に満たない場合は1000円が登録免許税になります。
⑨不動産の表示
贈与する土地の内容を記載します。
登記事項証明書(登記簿謄本)を確認し、正確に記載します。
こちらもご覧ください→生前贈与による不動産登記手続はどのような手続き?~登記完了までのおおまかな流れ~
登記申請はどこに出す?管轄法務局を探してみよう~相続登記必要書類おまけ~
不動産名義変更の登録免許税ってどうやって出すの?~登録免許税を算出してみよう~
まとめ
贈与登記を例に申請書についてご説明しましたが、同じ贈与登記でもご相談内容によっては同じ申請内容にはならない場合がございますので、まずは専門家にご相談ください。
また、贈与登記の場合、申請書以外にも贈与契約書の作成についても承っております。
現在初回のご相談は無料で行っておりますので、お気軽にご連絡ください。