登記に一番重要なあれ!権利証のあれこれについてまとめ~登記の基本その②~
登記に1番大事な書類
自分の家を売ったり、贈与したり等不動産の名義変更を行う場合、相続登記等を除き権利証が必要になります。
権利証とは簡単にいうと、自分がその不動産の所有者であることやそれ以外の権利の権利者であることを証明するための書類で、登記完了後に法務局から発行されます。
本コラムでは便宜上、所有権についての権利証に的を絞ってご説明させていただきます。
権利証の正式名称は登記済権利証ですが、平成17年以降には登記済権利証に代わって登記識別情報というものが発行されるようになりました(※本コラムでは登記済権利証と登記識別情報をまとめて権利証と記載させていただきます)が、登記済権利証も登記識別情報もその役割は同じです。
先ほど権利証とは所有者であること等を証明するための書類と申し上げましたが、これがなぜ必要になるかというと、例えば家を売る場合、自分の資産であった不動産を手放すことになりますので、現所有者にとっては不利な手続きになります。
不利な手続きですから必ず所有者本人の意思で行う必要がありますし、他人が所有者本人になりすまして勝手に名義変更手続きができてしまえば大変です。
そのため確実に所有者本人の意思の下登記申請を行っていることを証明するために、すなわち所有者本人であることを確認することができるように(他人がなりすませないように)権利証が必要になるのです。
登記済権利証=書面で証明、登記識別情報=暗号で証明
登記済権利証と登記識別情報は同じ役割ですが、所有者であることの証明の仕方に違いがあります。
まず登記済権利証は下記のようなものです。
●登記済権利証イメージ●
冊子になっていて、赤い判子のようなものが押されています。
この冊子自体を提出することによって所有者であることを証明します。
次に登記識別情報は下記のようなものです。
●登記識別情報通知旧様式イメージ●
様式に変更があったため、いつ発行されたかによって旧バージョンと新バージョンがありますが証明の原理は同じです。
登記識別情報の場合は、目隠しシールを剥がす(新バージョンは点線に沿って開ける)と12桁程度の英数字が出てきます。
この英数字は所有者しか知り得ない暗号になりますので、この暗号を提供することによって所有者であることを証明します。
なお、この目隠しシールは一度剥がしてしまうと再度貼り直すことができません。
暗号が漏れてしまうと危険ですので、シールは剥がさないよう保管してください。
登記を行う際には司法書士等が剥がして再度新たな目隠しシールを貼ってお返しすることが通常ですので、ご自身で剥がす必要はございません。
権利証は再発行できない
権利証がいかに大切な書類であるかについておわかりいただけたかと思いますが、もし紛失してしまった場合はどうなるのでしょうか。
まず権利証は法務局で再発行してもらうことができません。
同じ権利証は1度しか発行してもらえないのです。
ただし、本コラムでは詳しい説明は割愛させていただきますが、紛失した場合でも登記手続きを行う手段はいくつかありますのでご安心ください。
権利証は発行されてからすぐに使うものではないことが多いため、どこに閉まったかわからなくなってしまった方等ご相談いただくことがあります。
権利証の出番は登記が必要になった時ですが、とても大切な書類ですので、どこに保管されているか定期的にご確認いただくことをおすすめします。
初回は無料相談を実施しておりますので、お困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。
こちらもご覧ください→不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)って何?~登記の基本その①~