不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)って何?~登記の基本その①~
どんな不動産で誰の所有かわかる証明書
司法書士に登記を依頼する場合、登記事項証明書(登記簿謄本)はお持ちですか?とお聞きすることがあります。
この登記事項証明書とは不動産の内容や権利関係を確認するための証明書のことです。
また、登記事項証明書のことを登記簿謄本と呼ぶこともありますが、その違いは法務局(登記所)での登記事務管理の違いで、コンピュータ管理されている場合は登記事項証明書、コンピュータ管理されていない場合は登記簿謄本が証明書になります。
現在法務局で証明書を発行してもらう場合は登記事項証明書と呼ぶことが一般的ですが、昔の名残で登記簿謄本と呼ばれる場面も未だにあります。
なお、名称は異なりますが、どちらも同じ内容の証明書になります。
それでは具体的にどのような内容の証明書か次の章でイメージ画像を参考に説明していきます。
表題部、権利部それぞれの役割
●登記事項証明書イメージ画像●
まず、登記事項証明書には表題部と権利部(甲区)(乙区)があります。
表題部は先ほど申し上げた不動産の内容が記載されていますが、簡単にいうと不動産の自己紹介部分です。
イメージ画像を見ていただけるとわかりますが、不動産の所在地や地目、地積等どのような不動産であるかが記載される部分になります。
次に権利部は甲区と乙区に分かれていますが、甲区は所有権について、乙区はそれ以外の権利関係について記載されています。
イメージ画像の権利部(甲区)の権利関係を読み取ってみると、順位番号1番で所有者であった司法A太が順位番号2番で売買を原因として法律B子へ所有権が移転していることが読み取れるので、現在の所有者は法律B子であることがわかります。
続いてイメージ画像の権利部(乙区)の権利関係は、株式会社CD銀行の抵当権が設定されていますが、これは法律B子が土地を購入する際にその資金としてCD銀行より借り入れを行ったためその担保として当該土地に抵当権を設定したということです。
抵当権の詳しい説明については割愛させていただきますが、簡単にいうと、法律B子が株式会社CD銀行への返済を滞らせた場合は担保になっている土地を売却し、その売買代金から優先的に返済を受けられる権利のことです。
イメージ画像の権利関係はほんの一例に過ぎませんが、このように不動産の内容や権利関係を確認することができますので、司法書士は必ず登記事項証明書を確認した上で登記を行います。
登記事項証明書は法務局で取得可能
登記をする上で欠かせない登記事項証明書ですが、全国どこの法務局でも原則取得することが可能です。
登記申請はどこに出す?管轄法務局を探してみよう~相続登記必要書類おまけ~のコラムで、登記申請には不動産所在地の管轄ルールがあるとご説明しましたが、登記事項証明書の取得にはそのルールがありませんので、お近くの法務局で取得することができます。
法務局の所在地については下記法務省のホームページから確認することが可能です。