戸籍の基本をおさらいしよう。除籍、改製原戸籍って何?~相続登記必要書類その①~
「謄本」は全部、「抄本」は一部
戸籍謄本(抄本)とは個人の氏名、生年月日に加え、出生、死亡または婚姻や離婚、養子縁組等、個人の身分変動が記録された書類の写しです。
戸籍は本籍地の市区町村役場で管理されていますので、戸籍を収集する場合は役場に出向いたり、遠方なら郵送で戸籍を請求することが一般的です。
役場で戸籍を請求すると、戸籍原本の写しを渡されることになりますが、謄本を請求するか抄本を請求するかで写し方に違いがあります。
戸籍謄本はその戸籍に入っている全員の事項を写した証明書のことです。
一方、戸籍抄本とはその戸籍の一部の事項のみを抜粋して写した証明書になります。
例えば、Aさん(夫)、Bさん(妻)、Cさん(子)3人が在籍する一家の戸籍があるとします。
戸籍謄本を請求するとAさん、Bさん、Cさんの全員の事項が記載されるので、一家全員の身分関係に関する証明書となります。
また、Aさんの戸籍抄本を請求すればAさんの事項のみ記載されるので、Aさんの身分関係のみに関する証明書となります。
なお、戸籍管理のコンピュータ化に伴い謄本は全部事項証明、抄本は個人事項証明という名称に改められましたが、証明書としてはどちらも同じ内容です。
こちらもご覧ください→相続が発生した際の不動産名義変更はどのような手続き?~おおよその流れ~
誰もいなくなった戸籍=除籍
人は必ずしも一生同じ戸籍に入っているわけではありません。
例えば、結婚して親の戸籍から抜けて新たな戸籍に移ったり、籍を別の地に移したり(転籍といいます)、もしくは亡くなるとその戸籍から除かれます。
そういった理由で、戸籍に誰もいなくなるとその戸籍は閉鎖されることになります。
この閉鎖された戸籍を除籍と呼び、その写しを除籍謄本といいます。
法改正による様式の変化
戸籍法の改正によって戸籍の様式が改められた場合、今までの戸籍を新しい様式に作り直していきます。
その改製前の戸籍のことを改製原戸籍(かいせいげんこせき)といいます。
先ほど述べた戸籍管理のコンピュータ化もその改製の1つです。
コンピュータ化にともない、戸籍の様式が縦書から横書に改められました。
まとめ
相続登記が必要な場合、まずは相続人を確定させることから始めていきます。
そのため、被相続人の死亡から出生まで遡った戸籍が必要になります。
今回、戸籍の種類について簡単にご説明しましたが、被相続人が本籍を多々移動されている場合は、郵送でのやりとり等手間がかかる場合もございます。