遺言書による不動産名義変更について~原因は「相続」?「遺贈」?~
お亡くなりになった方が遺言書を遺されていた場合、所有不動産についての記載があれば、遺言書の記載に基づき不動産の所有権移転登記申請を行うことができます。
その際に注意を要することが、「相続」を原因とするか「遺贈」を原因とするかということです。
例えば、下記のケースですと「相続」を原因として所有権移転登記申請を行います。
1. 相続人全員に対しての包括遺贈(財産の一部または全部を包括的に遺贈する方法。例:「全財産の3分の2を相続人Aへ、3分の1を相続人Bへ遺贈する」)のケース
2. 相続人全員又は一部に対して「相続させる」と遺言書に記載してあるケース
これに対して、以下のケースですと「遺贈」を原因として所有権移転登記申請を行います。
1. 相続人全員に対しての特定遺贈(財産を特定して遺贈する方法。例:「○県○市○町の土地はAに遺贈する、×県×市×町の土地はBに遺贈する」)のケース
2.相続人の一部に対して包括遺贈又は特定遺贈する「遺贈する」と遺言書に記載してあるケース
3.相続人以外の人に対して包括遺贈又は特定遺贈する「遺贈する」と遺言書に記載してあるケース
4.相続人以外の人に対して「相続させる」と遺言書に記載してあるケース
以上のように、遺産を受け取る人が相続人か相続人以外か、また遺言書の文言によって、所有権移転登記の登記原因が異なってきますので、注意が必要です。
遺言書に基づく不動産名義変更は登記の専門家である司法書士へご相談下さい。
こちらもご覧ください→相続が発生した際の不動産名義変更はどのような手続き?~おおよその流れ~